移植の準備のために不妊鍼灸という選択もあります

どのようなタイミングで不妊鍼灸を活用したらよいのか。今回はその一例を紹介します。
先週、胚盤胞移植を行った患者さんの妊娠判定の日でした。
妊娠判定の報告がLINEで来ました。(SSKCでは不妊鍼灸患者さんとLINEで予約受付・変更、日々の相談を行っています。)
「無事に妊娠判定をいただきました!」 しかも1人目の妊娠時よりもhCG値が良かったと喜びの声です。
二人目不妊治療でICSI(顕微授精)まで進み、いよいよ移植を来週予定しているというタイミングでSSKCに通院を始めました。
「確実に着床させたい。」 それがご希望でした。初めての不妊鍼灸の経験です。
もともと排卵障害があり、ホルモン補充周期での移植です。
排卵障害の方の卵胞の成長を促す鍼灸治療(育卵プログラム)は卵巣機能改善を主体に治療を行います。
排卵や採卵まで、効果がでるまでに多くの場合3か月以上(ピークは5か月)必要です。
原子卵胞が首席卵胞にまで成長するのにおおよそ6か月かかるからです。
それに比べて、着床プログラムは子宮内膜の環境を整える治療です。
子宮に問題がない場合、目的の1つは子宮内膜の血流改善や肥厚です。
そして2つ目は自律神経系を介して過剰な免疫反応を抑制して、受精卵を拒否しないようにすることです。
着床プログラムは理論的には、早めれば移植周期の初めからでも間に合います。
さすがに来週の移植のために、というのは鍼灸の介入が効果あるのかは不明です。
今回の患者さんのケースでも、移植前週に2回の鍼灸治療を行いましたが排卵が起こらず移植はキャンセルとなりました。
そして鍼灸による着床プログラムを続け、次の周期で移植ができ、妊娠判定を受けました。
よくある誤解は、病院での不妊治療の代わりに不妊鍼灸が行われているという考え方。
二者択一ではなく、病院での不妊治療に不妊鍼灸治療を併用することで効果を上げているのです。
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