体外受精直後は安静にしていなければいけないなんて、いまだに信じている人いませんか?

体外受精の胚移植を目前にしている患者さんから聞いた話です。
以前に通院した市内の鍼灸治療院で、過去に胚移植失敗した話をしたら、
こんなことを言われたそうです・・・・。
「受精卵に問題ないのに失敗したのは、あなたが安静にしなかったからだ。」
「胚移植後一週間は、絶対安静しなさい。」
「医者は失敗と移植を繰り返して儲けている。だから言うことを信じてはいけない。」
怖くなりますよね。
その患者さんは、動きまわていた自分に対する非難の言葉が頭から離れないといいます。
いまだにこんな非科学的な説明をする治療者がいることに愕然!
患者さんに科学的事実でしっかり説明して、納得してもらうまで時間がかかりました。
それだけ心理的ショックが大きかったのですね。 お気の毒です。
安静が必要という説を否定する論文を紹介しておきます。
2019 Nov;300(5):1121-1130. doi: 10.1007/s00404-019-05296-5. Epub 2019 Sep 14.
[胚移植後の床上安静:系統的レビューとメタ分析]
この論文では、
1002 人の女性の分析では、安静グループと非安静グループで、臨床妊娠率に有意な変化は示されませんでした。
生児出産、継続妊娠率、流産率、多胎妊娠率 または着床率 についても差がありませんでした。
結論: 体外受精後に安静にしている必要はありません。
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