子宮内膜症の女性の不妊治療は早めに考えておくことをお勧めします。

今日定例のアクトタワークリニック松浦院長とのリモートカンファレンスがありました。
今回は、子宮内膜症の診断を受けながら不妊治療を行っている患者さんについて、話題にしました。
子宮内膜症は生殖年齢の女性の10~15%に見られる疾患です。
子宮内膜症=不妊症というわけではありませんが、不妊症患者さんにはよく見られます。
SSKCに来院される不妊患者さんの中に、子宮内膜症を持っている方は少なくありません。
不妊症になりやすい幾つかの要因があることが分かっています。
その一つに卵巣機能の低下があげられます。
卵巣機能の一つ、卵巣予備能の検査でAMH(抗ミュラーホルモン)が有名ですが、
子宮内膜症の方はこのAMHが早期に低下する傾向があります。
このAMHは卵巣内の前胞状卵胞という段階で分泌されるもので、
卵胞に育つ予備軍がどのくらい残っているかという指標の一つにされています。
成長の始まった胞状卵胞になる前の原始卵胞という段階があるのですが、
まだ成長が始まっておらず、休眠状態の卵胞です。
原始卵胞が多いほど卵巣が長期に卵胞を育てることができるわけです。
いくつかの論文によるとAMHは、原始卵胞が目覚めないようにコントロールしてくれているようです。
だからAMHが減少すれブレーキが無くなった原始卵胞は、早期に発育が始まることになります。
長い目で見ると、妊娠できる期間が短くなるということです。
妊娠には若いほど有利だということは何度も書いてきましたが、
子宮内膜症があると分かったら、早めに妊活を始めることが大切です。
コメントは承認後受け付けとなります。