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着床の窓の検査(ERA検査)は効果があるか?情報提供します。

2024年04月11日 | 不妊鍼灸 | 妊活

生殖医療ガイドライン表紙2021年
体外受精の治療を受けている方で、移植が何度も上手くいかない時によく受ける質問です。


「着床の窓がずれているので上手くいかないのでしょうか?」

「ERA検査を受けた方が良いでしょうか?」


不妊治療を継続されている方には気になることですよね。

複数回着床が上手くいかない場合を着床障害ということがあります。

原因としては受精卵の異常、子宮の問題、免疫システムの問題が考えられますが、

実際の臨床ではこれらの問題が多少あったとしても、無事に妊娠・出産される方もいれば、

その反対に問題を治療で克服したり、検査で問題なしとされても、

着床や妊娠の継続ができない方もいます。


今回は、ERA検査だけに絞ってお話します。

ERA(子宮内膜着床能検査)は、スペインに本社のあるアイジェノミクス社という企業が行っている検査です。

他の検査会社ではできません。

検査料金は14万円ほどで高額です。

ただし先進医療として認められていますので、

生命保険で先進医療特約を契約されている方は、全額が戻ってくる可能性があります。


検査情報については、企業機密で詳しい内容は独占されているため、

今のところ検査を受けた患者さんの臨床データから海外で数本の論文が出されています。

検討がまだなされている過程にあるために、その効果判定については結論は出ていません。

しかし、ほとんどの論文がERA検査に基づく胚移植の成績については有意に効果ありとしていません。

「有意」という言葉は、慎重に使う必要があり、つまり効果があるとは結論付けられないという意味です。

日本生殖医学会から出されている生殖医療ガイドラインでは、ERA検査は推奨レベル「C」判定です。


推奨レベルの強度は実施することを、強く勧められる「A」

勧められる「B」、 そして 考慮される「C」と定義されています。

「C」とは、現時点では研究論文によるエビデンスレベルがかなり低いことを意味しています。

分かりやすく言うと、ERA検査結果に基づいた胚移植は、検査を行わなかったものと有意に差がない。

また、ERA検査で着床の窓に合わせて胚移植を行った結果は、

時期が合っていない胚移植と有意に差がない。

ことが報告されています。

唯一、当のアイジェノミクス社から出された研究論文では、有意に効果ありと報告されています。


私個人としては、前述したように検査の意義については大きくないという印象です。

検査料金が高額なため、特約で返金されるとしても、

条件として正式にはホルモン補充周期で行わなければならない、

結果が出るまで2~3週間必要で、その周期は胚移植はできません。

以上の理由で、完全否定するものではありませんが、

しっかり説明して状況に応じて判断するように勧めています。

不妊治療はあなた達カップルのためのものです、

病院の収入に貢献するためではないことを忘れないでください。













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