(画像:第69回日本生殖医学会HPより)
先月名古屋市で行われた、日本生殖医学会学術講習会に参加してきました。
医師をメインとした生殖医療者の全国規模の学会です。
(残念ながら鍼灸師には一人も出会うことがありませんでした。)
不妊鍼灸治療に役立つ最新の情報を理解するために、オンデマンド配信も何度も見返しました。
不妊治療を専門とする鍼灸師にとって、女性側不妊については受精に適した卵子を確保すること。
そして、受精した胚がちゃんと着床して、出産まで無事に育つことを目的とした治療や援助介入を行います。
重要視する器官は、卵子の確保については卵巣ですし、着床と胎児成長については子宮となります。
それと同時に免疫系の関与も念頭におく必要があります。
最近ではゲノムという名で知られる遺伝子情報や、染色体、細胞学レベルでの研究が進められています。
不妊鍼灸においても、
温活だとか、血流とか、活性化だとか、不妊治療の裏づけのない、または鍼灸師自身が理解していないまま、
師匠から教えられた方法や都市伝説的な風説に基づいた治療に頼っている時代ではありません。
生殖医学の進歩からどんどん遅れてしまいます。
今回の学会では不妊治療の臨床現場で重要となる、
卵母細胞と卵胞成長制御背景や、着床期の胚の細胞内情報伝達や、
子宮内膜の病能などに関する最新知見が報告されていました。
私の今の研究テーマである、成長卵胞への介入治療については、
その分野の臨床応用の一人者である順天堂大学の河村教授から直接情報を得ることができました。
不妊治療の成績向上のために、引き続き研究と研鑽を続けています。