今年初めての書き込みです。
画像は、生成AIに描かせた子宮における血液凝固のイメージ図ですが、なんとも奇妙な画です。
珍しさだけで掲載してみました。(笑)
今日2025年1回目のカンファレンスがありました。
相手は、いつものようにアクトタワークリニック松浦院長です。
今回は血液凝固因子の異常について話を聞きました。
着床不全の患者さんの数々ある原因の一つとして考えられていますが、
普段の臨床ではあまり意識されないリスク因子の一つです。
着床失敗を繰り返している患者さんがいても、クリニックによってはこの検査について何も説明しない場合もあるようです。
いくつかの情報を調べてみると、具体的には、
着床障害や不育症に関連する抗凝固因子の評価には、以下のような検査が行われます。
検査項目が多すぎだし、余計に思えるものも含まれていますよね。
1. 血液凝固系の検査
・APTT (活性化部分トロンボプラスチン時間):内因性凝固系の評価。
・PT (プロトロンビン時間):外因性凝固系の評価。
・フィブリノーゲン:凝固反応に関与するタンパク質の濃度測定。
・Dダイマー:血栓形成や線溶の指標。
2. 遺伝子検査
・プロトロンビン遺伝子変異 (G20210A)
・第Ⅴ因子ライデン変異
・血栓性素因の遺伝的リスクを確認するための検査。
3. 抗リン脂質抗体検査
・ループスアンチコアグラント (LAC)
・抗カルジオリピン抗体
・抗β2-グリコプロテインI抗体
・抗リン脂質症候群(APS)の診断に使用され、不育症や着床障害と関連がある。
4. 免疫関連検査
・自然キラー細胞 (NK細胞) 活性:過剰活性が着床に影響を及ぼす可能性がある。
・サイトカインプロファイル:炎症や免疫応答の評価。
実際にはこれらの中で、必要と思われる項目についてだけ行われるようです。
治療はどうかというと、異常値の程度にもよりますが、
バイアスピリンが第一選択で、さらに高度な障害にはヘパリン注射が行われるそうです。
子宮周辺の血流が阻害されないようにするのが目的の一つです。
胚移植の準備のために、SSKCでの子宮に重点をおいたプログラムでもこの血流改善を、
目的の一つにしています。
着床失敗を繰り返している方は、一度医師に相談してみるのもよいかと思います。