人生の大先輩の選択
2017年11月22日
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治療日記

今日は不妊鍼灸の話題ではありません。
SSKCには不妊鍼灸以外にも様々な病気・症状で通院されている方がいます。
鍼灸治療のために毎週通院されている80歳代の患者Iさんからの深い話です。
脳梗塞後の軽い筋力低下と下肢のむくみの改善の目的で通院されています。
ゴルフが趣味で、今月末のコンペに発病後初めて復帰するのを目標にしています。
数年前から耳の端っこに、イボのようなものが出来て少しずつ大きくなってきたそうです。
他の病気の受診ついでに検査してもらったら、「皮膚がん」と診断されたそうです。
医師からは、手術による除去を勧められましたが、断ったそうです。
私「え!手術しないのですか?」「簡単な手術だと思いますよ。」
Iさん「手術のためには、ワーファリン(いわゆる血液サラサラの薬)も止めなきゃならないし。」
「残りの寿命を考えると、今更手術する気になれないのです。」
ゴルフ復帰のために、鍼灸治療の他に、
SSKCのソフトトレーニングスタジオゆくりなにも通って筋トレを継続し、私のウォーキング教室にも
積極的に参加されています。
私に皮膚がんを告白した当日も、何時もの通りに鍼灸治療とウォーキング教室で汗を流していきました。
こうした現在の日常を邪魔されたくないそうです。
私「今の年齢の私には選択できない道ですね。」
「人生の先輩としての深さを感じます。」
と答えました。
医学は疾患を治療したり、問題を解決することを目指します。
医療は疾患ばかりでなく、患者さんに包括的に取り組みます。
自分の人生を、自分で決定する岐路には何度も出会うと思います。
Iさんの今回の選択は、まさに岐路にあたり自ら意識をもって行った選択だと感じました。
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